建物賃貸借契約作成 ポイント
診療所賃貸に伴うトラブル
これから診療所借りようと考えている方は、下記の事例は必見です。
次の診療所を借りようと思った院長先生は管理会社に現在の診療所の賃貸借契約終了をつげたところ、なにやら見積書が送られてきました。
見積書の中身を見てみると賃貸借契約終了に伴う敷金返還に関する見積書でした。
敷金のうち敷金25%(43万)と原状回復費用55万を差し引かれていており、返金できる敷金は15万 ですという見積もりでした。上記の計算根拠は最初に締結した賃貸借契約書に記載されているとのことでした。
最初に預けた敷金100万円のうち返ってきた敷金はたったの15万円
中小企業にとって、契約書ひとつで数十万を失うのはあまりに痛いのではないでしょうか。
契約を結んだだけで損を出さないために。
上記のトラブルを避けるためには、どうしたらよいのでしょうか。
まず、上記の事例では敷金25%が自動的に差引かれていますが、これは敷引という規定です。
賃貸借契約が終了しても、自動的に敷金の25%は返しませんという規定です。
賃借人(診療所を借りる側)にとって賃貸借契約書の中にこの条項が入っていたら要注意です。
ほかの条項も賃借人にとって不利な規定が並んでいる可能性があります。
他方、賃貸人(診療所を貸すほう)にとっては入れておきたい条項です。
医療法人設立する際の診療所賃貸契約書の注意点
個人診療所から医療法人へ法人成りをするにあたり、診療所の契約関係を個人から医療法人に変更します。
ここでは、新たに契約を締結し直すということも考えられますが、既存契約の解約、名義変更により、手続が煩雑になる、違約金が発生する等のリスクが伴います。
しかし、法人成りにあたり契約上のリスクが生じる可能性があります。そのため、あらかじめ、既存契約をチェックしリスクがないかどうか確認する必要が有ります。
当該賃貸借契約に法人成りに伴い、違約金が発生するなどを定めたダイレクトな条項がないか。
法人成りが、賃借権譲渡や中途解約等にあたらないか?
法人成りが当該賃貸借契約における賃借人の固有の義務違反に該当し、賃貸契約を解約される可能性はないか?
医療法人の本店登記をしてはいけないという記載がないか?
建物賃貸借契約書の使用目的が「店舗」ではないか?申請が通らない事があります。
契約期間が5年以内ではないか?短期の契約期間だと役所から指導を受けます。その場合は、長期にわたって貸しますという覚書が必要になります。自動更新条項がある事もプラス材料。理想なのは契約期間10年以上。